無いものしか欲しくない
- Masumi Nakahara
- 2017年3月23日
- 読了時間: 2分
あるものは欲しくない
だってあるから
ないものは欲しい
だってないから
自由な時間が欲しい
1人で眠る休日が欲しい
鮮やかなパッチワークを縫ってみたい
知りたいことを思う存分調べてみたい
平日の午後にうたたねをしてみたい
反抗をしてみたい
金曜日の夜に飲みに行ってみたい
お化粧しておしゃれして
ひとりでゆっくり1時間お風呂に入ってみたい
1時間勉強してみたい
一度も起きないで朝まで寝たい
洗濯をしないでただ洋服を着るだけの生活をしたい
用意された夕ご飯
用意されたお弁当
用意された朝ごはんを食べてみたい
うんちの処理をしない生活をしてみたい
朝ごはんをゆっくり食べてみたい
夜はゴールデンタイムの番組を見てみたい
夜中の11時まで起きてみたい
やさしく名前で呼ばれてみたい
爪の手入れや眉毛の手入れをゆっくりしてみたい
思い立ったらジョギングへ出かけられる自由が欲しい
録画した映画を見ながらスナックを食べる金曜日を過ごしてみたい
泣きながらママ、ママと追われる日々
私の太ももにしがみつきつかまり立ちをする子供
チョコちょうだいを100回繰り返すむすめ
慌ただしく始まる朝、
恐怖のナイトタイム。
ないものねだりだと分かってる
あるものは欲しくない
だってあるから
だけど本当に必要なのは
あるものに感謝すること
あるものを必死で守ること
そしてないものが手に入るということは
同時に今まであったものを失うことだということを覚えておいたほうがよい
わがまま放題の子どもたちのわがままを聞いている奴隷のような日々は
失われた瞬間に史上最大の幸福の時となるということを
私たちは
母親たちは
忘れてはいけない



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