巨像
- 2017年3月20日
- 読了時間: 1分
真夜中の紫色の空に巨像が映る
誰かが言う。
「見て、あの山女の人の横顔みたい」
山の頂上は鼻になっていて、
女の人が上をむいて寝ているように見える。
言われてみれば、そう見える。
そして、そう見えてしまったあとでは、
そうとしかみえない。
暗闇に巨大な女の横顔が浮かび上がる。
恐ろしいな、と私は思う。
世界の終末みたいだ。
あんなに巨大な女が出現したんだ。
世界はもう終わりだ。
彼女が⅓のサイズの赤ちゃんを産んだとして、
そう、そうなったとして、
世界はその赤ちゃんに破壊されるんだ。
私には分かる。
世界中の母親には分かる。
この世で一番無垢で凶暴なのは赤ちゃんだと。
そして、いくら巨大な赤ん坊が暴れて
市町を襲おうと、
誰一人として赤ちゃんを成敗できないことを。
それはサイズだけの問題で、
「赤ちゃんのすることですから」と言って何もできないに違いない。
だから恐ろしいでしょう。
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